「試しに、電気ポットでお湯を沸騰させ、98℃設定で半日ほどたったお湯で、水道水と同じように殺菌したコップに入れ、サランラップで蓋をして、キッチンの隅に置いておきました。」

「どういう結果になったのですか」と町会長。

「7時間経たないうちに陰になっています。」

「98℃設定でも、7時間経たないうちに陰になってしまうのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。その水を電子レンジで2分ほど加熱してみたら、陰のままだったので、さらに、2分加熱すると陽になりました。」

「増殖型の細菌が死滅したのですね」と町会長。

「そういうことかもしれません。しかし、1回目の加熱でコップの水は沸騰しているので、増殖型の細菌は、その時点で死滅しているはずです。」

「それは不思議ですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。実験に何か手違いがあったかもしれないので、再実験をしたいのですが、あわてて電気ポットをホウ酸で消毒してしまったので、再実験ができないのです。」

「電気ポットの中にいた細菌が問題だとお考えなのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。電気ポットは、水道水を注ぎ足しながら何年も使ってきたので、耐熱性の細菌が進化してしまっていた可能性があるのです。」

「なるほど」と町会長。

「2回沸騰させたコップのお湯も、サランラップで蓋をしてキッチンの隅に置いておいたら、2時間30分後には陰になっています。」

「芽胞が発芽して、細菌が増殖してしまったのですね」と町会長。

「確認はしていませんが、細菌が増殖したのは間違いありません。東京都水道局の『トピック第20回 塩素消毒の効果』というウェブページに『微生物に対する消毒剤の効果』という分かりやすい図があるのですが、その図によると、塩素は一般細菌やインフルエンザウイルスには効果が高いのですが、芽胞やクリプトスポリジウムに対しては効果がほとんどないようです。」

「『クリプトスポリジウム』と言いますと?」と町会長。

「ウィキペディアの『クリプトスポリジウム症』に、『クリプトスポリジウム症とは、アピコンプレックス門のクリプトスポリジウム属に属する原生動物の寄生により、哺乳類の腸が障害を受ける寄生虫病である。糞口経路によって伝播し、免疫系が健全なヒトに対しては自然寛解性の下痢が主要な症状である』という説明があります。」

「感染を避けるには、どうしたらいいのですか」と町会長。

2021/9/16

<猫後記5>
猫は夕方暗くなってからではなく、筆者が詰碁をしていて外に出ない昼間の時間帯を選んで侵入してきているようなのだ。なぜかというと、庭にはセンサーライトが数台設置されているからだ。

猫もイノシシと同じ夜行性なので、暗くなると夜型の目に変わっていて、センサーライトが光るとしばらく目が見えなくなるのではないかと推定している。飼い猫が夜帰ってきても、そのような問題は起こらない。しかし、筆者の庭に夜侵入している猫は、わずかの怪しい気配も見逃さないようにして神経が張り詰めているので、家に夜帰る時と違って昼型の目に切り替えることができないのだろう。<続く>

2024/9/2